希土類永久磁石が、その優れた性能により、2020年から2025年の期間において複合成長率24.96%に達し、迅速な成長が見込まれている。特にネオジム磁石は、小型かつ軽量ながら、フェライト磁石の約10倍の性能を持ち、これにより、より優れた、小型のデバイスの製造が可能となっている。ネオジム磁石は主に風力発電、新エネルギー車(xEV)、インバータエアコン、工業モーターなどに使用され、2025年までの全世界の需要量は198,000トンに達すると予測されている。
ネオジム磁石の基本組成は、鉄が約60%、ネオジムが約30%で、ジスプロシウムを3%程度(耐熱用途では6-8%)含んでいる。主要生産国である中国は、希土類の生産量上限を毎年政府が設定し、この生産量により需給関係と希土類価格が変動する。
近年、ネオジム磁石材料に対する新しい用途として注目を集めているのが人型ロボットだ。人型ロボットは、人工知能技術とロボット工学を組み合わせたハイテク製品として、家庭、商業、工業の各分野で幅広い用途に使用されている。テスラのイーロン・マスク氏によれば、人型ロボットの需要は100億台に達すると見込まれ、これは自動車の需要を大きく上回る。人型ロボットの運用にはネオジム磁石が不可欠であり、その長期的な需要は2000万トンに達すると予測されている。
電気自動車や風力発電などの新エネルギー革命関連の需要、ならびに人型ロボット市場の成長が、今後さらにネオジム磁石の需要を牽引すると予測される。