中国 今週のレアアース、永久磁石の価格動向

中国では、ロボットや同期リラクタンスモータ(SynRM=Synchronous Reluctance Motor)などへの関心の高まりによって、希土類永久磁石への注目が強まっています。

8月29日、中国株式市場では、希土類永久磁石セクターは3.2%上昇しています。ミャンマーの希土類輸出禁止、希土類長期契約企業の注文増、川下企業需要の回復、そして希土類の従来の繁忙期の到来などの影響を受け、8月28日にはネオジム金属などの現物価格が上昇しました。8月29日には、ネオジム金属価格の上昇を受けてネオジム磁石(NdFeB)も上昇しました。

【注目企業】

■正海磁材

最近の発表で、同社はロボット分野で長年にわたり取り組んでおり、主に工業自動化などに適用されています。ロボット分野の急速な発展は、高性能ネオジム永久磁石材料の需要を安定して増加させると予測されています。同社は、市場の需要を応え、川下企業の様々なニーズを満たすことができると公表しています。

■金力永磁

上半期報告で紹介しており、同社は高性能ネオジム永久磁石材料の研究開発、生産、販売、リサイクルの総合利用に専念しています。そして新エネルギーとエネルギー効率の高い環境保護応用分野に焦点を当てており、業界で最も急成長している企業の一つであります。

■北方稀土

最近の投資情報調査で、希土類製品の価格は主に市場供給と需要の関係の影響を受けると述べ、川下の需要が増加すると、希土類製品の価格は若干上昇する可能性があります。同社は、製品価格の変動が会社に及ぼす不利な影響を減らすための総合的な方策を講じる予定です。

【希土類現物取引】
レアアースは、川下需要の回復と長期契約企業による注文が増え、堅調な推移が続く見込み

希土類永久磁石生産企業が株式市場で活況を呈していることと対応して、希土類の現物市場価格も上昇しています。今週に入って、8月28日にネオジム金属の価格が610,000〜615,000元/トン、平均価格は612,500元/トンで、前日比で5,000元/トン上昇しました。8月29日、ネオジム金属の価格は8月28日と同じでした。

SMMの調査によれば、希土類の現物価格の上昇は主にミャンマーの希土類輸出禁止、希土類の長期契約による注文増、そして風力発電、新エネルギーなどの川下企業の注文需要が回復していることが影響しています。8月が終わりに近づくにつれ、従来の繁忙期の到来も市場に一定の刺激を与えています。第二回希土類採掘指標(記事リンク)がまだ発表されていないため、ミャンマーの希土類輸出禁止期間が長期化する場合、重希土類の採掘指標が一定程度増加する可能性があります。さらに、従来の繁忙期の到来に伴い、希土類の価格が強気で推移するとなるのではないかと予測しています。

参考

同期リラクタンスモータ(SynRM)

東芝レビュー2015年5月 (global.toshiba)

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