ルーマニア、レアアース精製拠点化へ 欧州サプライチェーン強化を加速

ルーマニア政府は、レアアースを含む重要鉱物分野への本格参入を目指し、国内精製能力の構築に向けた取り組みを加速させている。エネルギー相は、同国が将来的に世界のレアアース産業における重要なプレーヤーとなる可能性に言及し、採掘から精製、下流産業までを国内で完結させる構想を示した。

同国では現在、自動車関連産業などの製造拠点が多く立地している一方、原料の多くは海外で精製された後に再輸入されている。政府は国内に精製施設を整備することで、航空宇宙や半導体など高付加価値産業の誘致につなげたい考えだ。

2025年には、EUがルーマニア国内の複数の重要鉱物プロジェクトを戦略案件として認定した。北西部では金属マグネシウム開発、南西部ではバッテリー向けグラファイト開発が進められており、欧州域内における重要原材料サプライチェーンの強化が図られている。

さらにルーマニアは、グリーンランドのレアアース鉱床開発を進める米系企業との協力も推進している。計画では、採掘されたレアアースの一部をルーマニア国内で加工する方向で検討が進んでおり、政府は採掘・精製・消費を一体化した統合型プロジェクトの承認を目指している。

また、同国の核関連施設を活用した加工拠点整備も視野に入っており、実現すれば欧州における希土類加工能力の強化につながる可能性がある。航空宇宙、防衛、半導体など戦略産業向け材料の安定供給を狙う動きとして注目される。

欧州では近年、中国依存の低減を目的に重要鉱物の域内供給網構築が進められており、ルーマニアの動きもその流れに沿ったものといえる。採掘だけでなく精製・加工までを国内で担う体制が整えば、同国は欧州のレアアース供給戦略において重要な役割を担う可能性がある。

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