オーストラリアの実業家で同国屈指の富豪として知られる ジーナ・ラインハート氏 が、米国のレアアース生産企業 MP Materials の筆頭株主となったことが明らかになった。戦略鉱物分野における彼女の国際的な影響力が一段と強まる形だ。
ラインハート氏が率いる Hancock 社は、2025年第3四半期にMP Materials株をさらに100万株取得し、保有比率は 8.4% に達した。これにより、同社最大の株主となった。MP Materialsの創業者でありCEOの ジェームズ・リティンスキ氏 が7.9%を保有し、第2位の株主となっている。
MP Materialsは米国で唯一稼働しているレアアース鉱山「マウンテンパス」を運営しており、同国のレアアース供給網の要となる企業だ。2025年7月には、米国防総省(ペンタゴン)がMP Materialsに 4億ドル規模の出資 を実施しており、同社は米国の防衛産業サプライチェーンの中核として位置付けられている。今回のHancock社による持ち株拡大により、ラインハート氏の事業帝国は、オーストラリア国内にとどまらず、米国の戦略鉱物・防衛関連分野にまで影響力を拡大させつつある。
