中国湖南省長沙市にある企業が、1種類のレアアースで世界生産量の約60%を占めています。この企業は東方スカンジウムと言い、スカンジウム素材の大規模産業化を世界で最初に実現した企業で、世界最大のスカンジウム材料生産基地を建設しました。
最先端の技術領域では、高級素材と技術の価格は人々を驚かせています。例えば、皆さんがよく知っているアメリカのB-2爆撃機は、13億ドルの製造費用がかかっており、爆撃機と同じ重さの金を使って作るよりも高価です。スカンジウム材料の使用は爆撃機の製造費を上げる一因となっています。スカンジウムを他の金属と混合して合金を作ると、高強度、変形に強く、溶接が容易になるなどの特性を持ちます。
東方スカンジウムの創業チームは主に中国の中南大学の材料専攻、冶金専攻出身です。優れた性能を持つ航空金属材料を開発する際に、大量のスカンジウムを使用する必要がありました。しかし、彼らはスカンジウムの使用シーンがすでにかなり大規模であるにもかかわらず、スカンジウム自体の生産量は非常に低いことに気が付きました。“自然界には濃縮されたスカンジウムが存在せず、まばらに分散しているため、スカンジウムは基本すべて実験室で反応炉を使って作られます。工業化がされていないということは、価格が非常に高いということです。”と東方スカンジウムのCEO聂東紅は言います。その時、スカンジウムの価格は金よりも数倍高価でした。
この業界の問題点を解決したく、2011年に東方スカンジウムの創業チームは、スカンジウムの大規模生産の研究開発にチャレンジすると決意しました。
研究を重ね、東方スカンジウムはスカンジウムの大規模生産ラインを立ち上げることができました。現在、同社は一流のスカンジウムとバナジウムの研究開発プラットフォームおよび製品生産ラインを持っており、酸化スカンジウム、金属スカンジウム、スカンジウム材料および他のレアアース、アルミニウムスカンジウム合金、3Dプリントなどの最先端領域の新型材料の研究開発を行っています。そして、かつて金よりも高価だったスカンジウムも、東方スカンジウムが産業化を実現したことで、価格は大きく下落し、グラムあたり2000円以下に下がりました。
■東方スカンジウムHP(Hunan Oriental Scandium Co., Ltd.)
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