プロテリアル(Proterial、旧:日立金属)の7月24日のニュースリリースによると、最近、希土類元素であるネオジムを含まない磁石を使用した電気自動車(EV)用モーターを試作しました。試験の結果、このモーターはBEV や PHEV の駆動モーターに適用可能な出力を確保できることが示されました。
ネオジムは、電気自動車等に広く使用されているネオジム磁石の重要材料ですが、希土類元素であるため、安定的に入手できるかが課題となっています。Proterialは昨年、酸化鉄を主成分とするフェライト磁石も電気自動車のモーターで使用できることをコンピュータシミュレーションで確認しました。最近では、試作し、その性能をテストするための試作品を使用しました。
フェライト磁石の磁力はネオジム磁石の約10分の1であり、これまで主要な電気自動車モーターメーカーが実際に採用した記録はありませんでした。Proterialは磁石の設置位置を革新し、モーター出力を高める技術を開発し、試作品のテストにより電動自動車の出力を得られることを確認しました。
Proterialはモーターを自社で量産するつもりはなく、フェライト磁石を電動モーターメーカーに販売する予定です。同社は2035年までにフェライト磁石を使用したモーターが電気自動車に採用されることを目指し、そのためのマーケティング活動を展開する予定です。
■参考
(株)プロテリアルのリリース内容
20230724jp.pdf (proterial.com)