<FREE>レアアース 基本のき

レアアースは何?

レアアースとは、元素周期表のランタノイド、スカンジウム、イットリウムなど17種類の金属元素の総称であり、レアメタルの1種です。レアアースと118種類の元素の関係は下記の通りです。

レアアースの種類

希土類元素の電子層構造と物理的および化学的性質等によって、17の希土類元素は通常2つのグループに分けられます。

■軽希土類

ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム

■重希土類

ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム 、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウム

■元素周期表上のレアアース

黄色の元素はレアアースです。

レアアースの用途

レアアースは、発光材料、磁性材料、触媒、超電導材料などとして、自動車(特に電気自動車)、風力発電、航空機、コンピューター、スマートフォン、カメラ、省エネ家電、レーザー、原子力産業など幅広く利用され、工業のビタミン、ハイテクの調味料と言われいています。

しかし、レアアースは埋蔵量が少ないかつ産地が偏在している(中国がダントツの主要生産国)、鉱石からの抽出が難しい、冶金が難しいことから、「珍しい、稀な」存在になっており、「希土類」とも呼ばれています。

レアアースの生産状況

アメリカ地質調査所(USGS)の調査によると、2020年の世界全体の生産量は約24万トンであり、中国はそのうちの58%を占めています。中国と、第二位の米国、第三位のミャンマーの生産上位3か国合計で世界全体の年間レアアース生産量の約86%を占めています。

一方で、中国は輸出制限をしたりすることから、アメリカをはじめ、多くの国で脱中国への依頼を進めています。しかし、採掘による環境問題や、分離冶金技術の課題などがあります。

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