米エネルギー省(DOE)は8月20日、重要鉱物・材料の加工や電池製造、リサイクル能力の拡大に向け、7件のプロジェクトを総額5億ドルの支援対象として選定したと発表した。リチウムやコバルトの精製、ブラックマスの再資源化、電池材料の国内製造などを支援する。
今回の選定は、DOEの「電池材料加工」および「電池製造・リサイクル」助成プログラムの一環。重要鉱物の精製・加工から電池材料の製造、リサイクルまでの国内供給網を強化し、海外依存の低減を狙う。
リチウム分野では、抽出技術を手掛ける米ライラック・ソリューションズ(Lilac Solutions)の関連会社が最大1億ドルの支援対象となった。ユタ州グレートソルト湖に直接リチウム抽出(DLE)・精製施設を建設し、かん水から電池級炭酸リチウムを生産する。第1段階で米国内のリチウム生産量を倍増させる規模を目指す。
コバルト分野では、コバルト・ニッケル事業を手掛ける豪ジャーボア(Jervois Global)の米国法人が最大1億ドルの対象となり、電池級硫酸コバルトなどを生産する商業規模の精錬施設を整備する。建設地は現時点で未定。
リサイクル分野では、重要鉱物の精錬技術を手掛ける米Nth Cycleが最大1億ドルの支援対象に選定され、米南東部に新たな精錬施設を建設する。使用済み電池や製造スクラップ由来のブラックマスから、ニッケルを含む混合水酸化沈殿物(MHP)や電池級炭酸リチウムを生産する計画で、年間最大2万4,000トンの処理を見込む。
このほか、以下の4社もそれぞれ最大5,000万ドルの支援対象に選定された。
- プリンストン・ニューエナジー(Princeton NuEnergy):ジョージア州で電池製造スクラップから正極材を回収・直接再生
- アルカナム・ベンチャーズ(Arcanum Ventures):電解液原料となる電池級エチレンカーボネートの国内生産
- エレベーテッド・マテリアルズ(Elevated Materials):超薄型リチウム金属箔の製造
- コアシェル・テクノロジーズ(Coreshell Technologies):米国産金属シリコンを活用したシリコン負極の製造
今回の支援は、米国内で脆弱とされる重要鉱物の精製・加工やリサイクルなど中流工程を補強し、中国をはじめとする海外への依存低減を進める狙いがある。
