カナダのクリーンテック企業Cyclic Materials(サイクリック・マテリアルズ)は6月11日、北米初となるレアアース(希土類)リサイクルの中核拠点をオンタリオ州キングストンに設立すると発表した。投資総額は2,500万米ドル(約37億円)に上る。
新設される施設では、使用済みのモーターやハードディスクなどから希土類を回収し、電気自動車(EV)モーターや風力発電設備、電子機器に使われる高性能磁石の原材料を再生産する。再資源化される元素には、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)などが含まれる。
同施設では、年間約500トンの磁性材料から混合希土酸化物を製造する計画で、資源採掘に依存しない持続可能な供給網の構築を目指す。原料は、使用済み製品のほか、世界中の提携企業から供給される生産工程由来のスクラップも含まれる。
施設の稼働開始は2026年第1四半期を予定しており、生産される希土酸化物は、フランスの化学大手ソルベイ社など、レアアース磁石のサプライチェーンを担う主要パートナーに供給される見通しだ。