2025年5月15日、中国商務部は定例記者会見を開き、米中間の通商協議の進展に伴い、中国政府が一部の対米非関税措置を調整したことを明らかにした。一方で、レアアース製品に関する輸出規制の扱いについては、明確な説明を避けた。
ロイター通信の記者からの質問に対し、商務部報道官の何咏前氏は、「米国側が中国に対する追加関税の一部を撤回・停止・調整したことを受けて、中国もこれに応じた対抗措置を調整した」と説明した。ただし、具体的にどの非関税措置が撤回または一時停止されたかについての詳細は示されなかった。
また、4月から開始されたレアアース製品への輸出規制に関連し、一部企業がすでに輸出許可を得たとの報道について記者から質問があったが、これについて何氏は「現時点で提供できる追加情報はない」と述べ、今後の対応については「新たな情報があれば速やかに公表する」とした。
中国は2025年4月4日から一部のレアアース関連製品に対する輸出管理措置を実施しており、国際的な供給網への影響が注目されている。今回の会見では、規制の緩和や撤回を示唆する発言はなく、今後の動向が引き続き注目される。
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