英国の資産管理グループJanus Henderson Investorsは最近、リチウム価格の下落が底を打ちそうだとコメントした。
同社資源関係担当のサリバン氏は、特にオーストラリアで、もっと多くのリチウム鉱山の取引が行われると予測している。昨年、オーストラリアのリチウム鉱業では、13億ドル以上の合併・買収が発表され、2022年の5640万ドルを上回った。サリバン氏は「これからもさらに多くの合併・買収が行われるだろう」と見ている。
最近の分析報告によると、オーストラリア政府は、供給の増加、中国の需要の減少、米国の電気自動車市場の低迷を理由に、リチウム価格が2025年までに2022年や2023年初めの高値に戻ることはないと見ている。
オーストラリアの産業科学・資源省の報告によると、オーストラリアは2025年までにリチウム鉱石の現物価格が昨年の平均3,840ドル/トンから2,200ドル/トンに下がると予想している。2022年のオーストラリアのリチウム鉱山の採掘量は、世界全体の約半分を占めていた。
オーストラリアのリチウム鉱石の生産量は、2022年の38.6万トンから2025年には63.3万トンに増えると見られている。中国の生産量は、2022年の16.6万トンから倍以上に増え、来年には37.3万トンになると予想されている。この期間中、チリの生産量は16.2万トンから22.7万トンに増加する見通し。
リチウムの現物価格の下落は、電気自動車やバッテリーの価格を下げる可能性があるが、プロジェクトへの投資意欲にマイナス影響を及ぼす可能性もある。