ライナス、マレーシア操業ライセンスを10年更新

豪州の希土類大手ライナスは、マレーシア当局より同国における操業ライセンスの10年間延長を正式に通知された。新ライセンスは2026年3月3日から開始され、2036年まで操業が可能となる見通しで、同社の中長期投資および供給体制の安定性を高める内容となっている。

同社CEOのアマンダ・ラカーズ氏は、ライセンス延長について「ライナスおよび希土類サプライチェーン全体にとって投資の確実性が高まる」と述べ、マレーシア政府の支援に謝意を示した。

半期決算:収益性が大幅改善

ライナスが公表した2025年7〜12月の半期決算では、業績が大きく改善した。

主な業績指標(前年同期比)
・売上高:4億1,370万豪ドル(前年 2億5,430万豪ドル)
・純利益:8,020万豪ドル(前年 590万豪ドル)

生産面では、希土類酸化物(REO)総生産量が6,375トンとなり、前年同期の5,339トンから増加。販売量も6,050トンへ拡大し、平均販売価格の上昇が収益を押し上げた。

NdPr価格上昇が追い風

市場環境も業績を支えた。中国国内のNdPr価格は、2024年12月の約56ドル/kgから2025年12月には74ドル/kgへ上昇。さらに2026年には一時111.5ドル/kgまで上昇するなど、価格環境は改善傾向を示している。

ライナスは、製品ミックスの最適化や指数連動に依存しない価格契約の拡大により、全製品の平均販売価格を押し上げたとしている。

重希土類生産が本格化

2025年に拡張したマレーシア工場では、年産1,500トン規模の重希土類分離設備が稼働し、酸化ジスプロシウム(Dy)および酸化テルビウム(Tb)の生産を開始。すでに顧客向け出荷も始まっている。さらに今後2年間で、同拠点に年産5,000トン規模の重希土類分離施設を段階的に建設する計画を進めている。

製品ライン拡充とマレーシア戦略

同社は2026年4月から酸化サマリウムの生産開始を目指し、2028年には酸化ガドリニウム、酸化イットリウム、酸化ルテチウムなどへの製品拡大も計画している。また、マレーシア・クランタン州の投資機関との協力を通じ、同国における希土類産業全体の発展にも関与していく方針だ。

世界的に希土類供給の安全保障が重視される中、軽希土類に加え重希土類まで一貫供給できる体制を持つ同社の戦略的重要性は一段と高まっている。

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