世界中における新エネルギー自動車の電動駆動において、永久磁石モーターの割合はほぼ90%に達しています。その中で、ジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)などの重希土類を使用した永久磁石は、高い磁気エネルギー積と高い保磁力を持ち、それに対応する希土類永久磁石モーターは、小型で軽量、高効率、優れた特性を備え、高い評価を得ています。しかし、重希土類の埋蔵量が限られているため、新エネルギー自動車の普及に伴い、世界的に大規模な希土類永久磁石モーターの生産において、今後、重希土類は資源不足の課題に直面する可能性があります。現在、いくつかの先進国では、重希土類の使用を減らした永久磁石をモーター製品に使用しています。
稀土元素は、特殊な物理的及び化学的性質を持つ金属元素の一群であり、多くのハイテク分野で広く使用されています。例えると、石油が産業の血液であるなら、レアアースは産業のビタミンであり、特に自動車産業において重要です。永久磁石モーターにおいては、ネオジム磁石(NdFeB)が最も一般的に使用される永久磁石材料の一つであり、高い残留磁束と高いエネルギー積を持っています。また、ネオジム磁石に使われているネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)の3元素は、モーターの磁気特性、耐熱性の改善、使用期限の延長、ノイズ低減などに重要な役割を果たします。したがって、コストは高いにもかかわらず、永久磁石モーターは常に新エネルギー自動車の欠かせない部品となっています。
最近、中国の大洋電機社は調査機関での調査の中で、レアアース永久磁石を使ったモーターが現在の新エネルギー自動車の駆動用モーターの主流技術であり、変換効率が90%以上に達していると述べています。
一般的に、モーターで使用される希土類とは主に重希土類を指し、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)などの元素が含まれます。種類や用途によって、モーターは異なる重希土類元素を使用しますが、それは重希土類の供給量が少なく、コストが高く、同じ性能を持つ複数の元素の安いものを使うからです。現在、企業は重希土類の使用量を減らすために、より多くの軽希土類を使用する方向にシフトしたく、技術開発を進めています。