米国の希土類企業 REalloys は3月11日、中国以外では最大規模となる重希土類金属生産施設を建設すると発表した。カナダの研究機関 サスカチュワン研究評議会(SRC) と提携し、北米での希土類サプライチェーンの構築を進める。
新施設は、2027年に発効予定の米国防調達における中国由来資源の使用禁止規定に完全対応する見込みで、初期稼働は2027年前半、全面的な商業生産は同年後半を目標としている。年間生産能力はジスプロシウム金属約30トン、テルビウム金属約15トンとなる計画だ。
北米で最大の重希土類金属生産拠点を構築
REalloysは、重希土類金属生産設備をSRCと共同で建設する。試運転と初期稼働の後、設備は米オハイオ州に移設され、米国の防衛産業向け需要に対応する計画だ。
同社はすでにオハイオ州に金属生産設備を保有している。現在、北米で稼働している重希土類の金属生産能力はこの拠点のみとされており、新施設の建設により生産能力を大幅に拡張する。
この施設は、中国との直接的な供給関係を持たない「ゼロ・チャイナ」サプライチェーンとして設計され、米国防総省の国家備蓄向け供給も視野に入れている。
原料はカナダSRCの希土類処理施設から供給
今回の計画は、2025年12月に発表されたREalloysとSRCの提携を基盤としている。
SRCがカナダのサスカトゥーンに建設する希土類処理施設では、ネオジム・プラセオジム金属(NdPr)、ジスプロシウム酸化物(Dy)、テルビウム酸化物(Tb)などを生産する予定で、REalloysはその生産量の80%を長期確保する。これらの酸化物はREalloysの施設で金属に加工され、防衛用途や先端産業向けに供給される。
北米初の重希土類一貫サプライチェーン
今回のプロジェクトは、中国依存からの脱却を進める北米の重要鉱物戦略の象徴的な取り組みと位置づけられている。 カナダでの分離・精製と米国での金属生産・製造を連携させることで、北米域内で完結する希土類供給網を構築し、安定供給を実現する狙いだ。
