マレーシア天然資源・環境省のジョハリ大臣代理は、11月19日の国会答弁で、マレーシアのレアアース埋蔵量は「非常に豊富」だと述べつつも、大規模な採掘・精製に必要な専門知識や技術が不足しているため、外国企業の支援が不可欠であると強調した。
マレーシア政府は、同国のレアアース産業の将来的な成長可能性を高く評価する一方で、現在は技術、人材、そして全国的な埋蔵量データの不足など、多くの制約に直面していることを認めた。特に、採掘と精製の面では外国技術への依存度が高い状況が続いている。
■ 主要プロジェクトは中国・豪州企業に依存
Keneringにあるマレーシア初のレアアース採掘プロジェクトは、マレーシアと中国の合弁会社Malaysia-China RE Resourcesが担当しており、中国式の採掘技術を使用している。一方、レアアースの加工については、豪州レアアース大手ライナス(Lynas)が精製を担っている。
ジョハリ氏は「マレーシアには高価値レアアースを商業的に分離できる加工施設がまだ存在しない」と指摘。現在、レアアースの加工・分離のバリューチェーンは中国がほぼ独占し、関連技術の輸出も厳しく管理されていることから、「マレーシアが完全なバリューチェーンを構築するうえで大きな障壁となっている」と述べた。
■ 94%が「開発禁止の森林保護区」に存在
さらに、マレーシアのレアアース埋蔵量の約94%は、開発が禁止されている永久森林保護区に存在しており、産業発展の大きな制約となっている。
政府の調査によれば、マレーシアのレアアース推定埋蔵量は約1610万トン。17種類すべてのレアアース元素が存在するものの、採掘・加工技術が不足しているため、実際の生産量は限定的となっている。
■ 技術自立が今後のカギ
政府は今後、資源データの整備、技術導入、人材育成を通じて産業基盤を整える方針を示している。しかし、森林保護政策と資源開発の両立、中国への技術依存からの脱却といった課題は依然として大きい。マレーシアのレアアース戦略は、環境保全と産業振興のバランスをいかに取るかが問われる局面にある。
