国連安全保障理事会は7月22日、天然資源ガバナンスをテーマとする公開討論を開催し、リチウム、コバルト、銅、ニッケル、レアアースなどの重要鉱物を、国際平和と安全保障に関わる課題として議論した。
国連のグテーレス事務総長は、重要鉱物の需要拡大が資源国の発展機会になる一方、地政学競争や供給網への圧力を強め、紛争や違法取引を悪化させる恐れがあると警告した。特にアフリカでは、違法採掘や鉱物密輸が武装勢力の資金源となる事例が問題視されている。
WTOのオコンジョイウェアラ事務局長は、重要鉱物が戦略資産として扱われるなか、資源国が原料輸出にとどまれば、雇用や技術、利益が国外に流出する可能性があると指摘した。そのうえで、資源国内での精製・加工や高付加価値化、透明性の向上、国際ルールに基づく協力の強化を求めた。
今回の討論は、新たな規制や方針を決定するものではないが、重要鉱物をめぐる課題が、通商・産業政策に加え、安全保障や紛争予防、資源ガバナンスの観点からも国際的に議論される流れを示した。
