インド、年内にも希土類永久磁石の国内生産開始へ

インド政府は、希土類永久磁石の国内生産を年内にも開始する方針を明らかにした。鉱山相が業界会合で示したもので、重要鉱物分野における国内製造能力の拡大と、海外依存の低減を狙う。

希土類永久磁石は、電気自動車、再生可能エネルギー設備、電子機器、航空宇宙、防衛分野などに不可欠な部材であり、世界的に需要が拡大している。インド政府は2025年に、年間6,000トン規模の希土類永久磁石生産を目指す支援策を承認しており、大規模な資金投入を通じて国内産業育成を進めている。

現在インドでは、原料鉱物の採掘は行われているものの、多くが海外で加工された後に再輸入される構造となっている。政府はこの状況を課題と捉え、国内での加工・製造体制の確立を急ぐ方針だ。

また、インド政府は都市部に蓄積された電子廃棄物からの重要鉱物回収にも注目している。使用されなくなったスマートフォンなどを資源として活用することで、鉱山開発に伴う環境規制を回避しつつ供給源を拡大できる可能性があるとしている。

政府は政策面・資金面での支援を行う姿勢を示しており、海外からのスクラップ輸入も含めたリサイクル産業の拡大を視野に入れている。

今回の取り組みは、重要鉱物分野での自立性向上と、世界的なサプライチェーン再編の流れを見据えた動きといえる。加工拠点整備、リサイクル強化、国内製造の拡大を組み合わせることで、インドは希土類関連産業における存在感を高める狙いだ。

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