中国地質調査局が雲南省紅河地区で超大規模のイオン吸着型希土類鉱床を発見したと報じられた。この鉱床の潜在資源量は115万トンに達し、そのうちプラセオジム、ネオジム、ジスプロシウム、テルビウムといった重要な希土類元素は47万トン以上を占めるという。
中国は特に重希土類金属の生産で世界シェアのほぼ100%を占めており、主要供給源である江西省のイオン吸着型希土類鉱床が1969年に発見されて以来、重希土類分野での優位性を維持してきた。今回新たに発見された雲南省の鉱床は、中国最大規模の中重希土類鉱床になる可能性があり、この分野での戦略的優位性をさらに強化すると見られている。
重希土類鉱床の重要性
中国には軽希土類資源が豊富に存在し、主に内モンゴルや四川省などに分布している。しかし、重希土類資源は比較的希少であり、その用途は非常に広範囲にわたる。重希土類は、電気自動車や新エネルギー産業、さらには国防分野において不可欠な原材料であり、ハイテク産業の発展に必要不可欠な重要金属とされている。
今回の発見がもたらす影響
この発見により、中国の希土類資源供給能力はさらに強化されると予想される。国内外の需要を安定して満たしながら、中国の国際的な競争力を一段と向上させるだけでなく、戦略的金属資源としての希土類の重要性を再確認する契機となるだろう。中国はこれにより、ハイテク分野や新エネルギー分野での優位性をさらに拡大する可能性が高い。