中国以外で唯一の商業生産体制を確立、サプライチェーン多様化に貢献
オーストラリアのレアアース大手Lynas Rare Earths は、2025年5月16日、マレーシア工場において重希土類元素「ジスプロシウム酸化物(Dy)」の初回分離生産に成功したと発表した。これは、同社が2025年3月期四半期報告書で予告していたとおりで、重希土類分離ラインの稼働を経て、5月にジスプロシウム、6月にはテルビウム(Tb)の生産開始が予定されている。
LynasのCEOであるアマンダ・ラカーズ氏は、「当社のマレーシア新ラインでのジスプロシウム生産は、レアアース供給の強靭性向上に向けた大きな一歩です。お客様はこれにより、中国以外からの供給という選択肢を持つことが可能になります」と述べた。
ラカーズ氏はまた、Lynasが現在、中国以外で商業的に分離された重希土類製品を供給できる唯一の企業であることに触れ、「日本、米国、欧州の顧客との間で供給に関する協議を進めている」と明らかにした。