ASEAN(東南アジア諸国連合)は、レアアース分野における地域協力の可能性を探り始めている。加盟各国は、東南アジア全体として豊富な鉱物資源をどのように共同活用し、産業競争力を高めるかを検討している。
マレーシアのテンゴ・ザフル・アジズ投資・通商・産業相は、第26回ASEAN経済共同体(AECC)理事会終了後の記者会見で次のように述べた。
「我々は、今後レアアース分野でどのように協力できるかについて合意に達した。加盟国は知識や経験の共有、ベストプラクティスの交換、さらに地域産業を補完・強化する技術協力の可能性を模索している。」
ザフル氏によると、具体的なスケジュールはまだ定まっていないものの、将来の協力方針を示す「レアアース元素に関するASEAN宣言」がすでに合意されたという。
また、ASEAN鉱物資源委員会は「ASEAN鉱物開発ビジョン宣言」を発表し、同地域を重要鉱物を含む鉱物資源投資の主要目的地へ発展させることを目標としている。
この宣言は、技術革新、健全なガバナンス、そして持続可能なベストプラクティスを通じて生産と貿易を強化する方針を掲げている。
専門家の間では、「ASEANが真にレアアース大国となるには、各国が個別に進める二国間協力から、より統合的な地域協力体制へ転換する必要がある」との見方が広がっている。
そのためには、レアアース理事会の設立、共通の認証・トレーサビリティ制度の構築、インフラ整備、共同研究開発と人材育成、さらに中国・日本・韓国・EUとの戦略的対話の強化が求められる。
