豪州のレアアース企業IonicRE(Ionic Rare Earths Ltd)は、韓国のDNAリンクと、電子スクラップを希土類酸化物にリサイクルし、DNAリンクの韓国工場に供給するためのMOU(基本合意書)を締結した。この提携により、希土類磁石のリサイクルを活用した持続可能な供給体制の構築が期待されている。
DNAリンクは、IonicREの子会社であるIonic Technologiesに金属スクラップを提供し、英国ベルファストの工場で希土類酸化物にリサイクルする。この工場では現在、年間30トンのスクラップを処理し、約10トンの希土類酸化物を生産している。これらの材料は、韓国におけるDNAリンクの新たな希土類磁石事業で活用される予定だ。
DNAリンクは韓国の益山(イクサン)に永久磁石製造工場を建設し、2025年末から年間1,000トンのネオジム磁石磁石を生産する計画を進めている。また、両社は韓国市場だけでなく、米国での永久磁石製造事業の展開も視野に入れ、グローバルなレアアースサプライチェーンの確立を目指している。
DNAリンクの最高経営責任者であるジュン・ヨン・リー氏は、「このパートナーシップは、欧米におけるレアアースの完全なサプライチェーンを確立し、中国依存を減らすという共通のビジョンを反映している」とコメントした。今後、IonicREとDNAリンクの協力によるレアアースリサイクルの拡大が、世界の希土類供給網にどのような影響を与えるのか注目される。
◆ご参考:Ionic Rare Earths Ltdのリリース内容