カナダ・レア・アース社(Canada Rare Earth Corp.)は、同社の完全子会社であるシンバ・エッセンシャル・ミネラルズ(Simba Essential Minerals S.A.S.)とコンゴ民主共和国(DRC)の国営鉱山会社であるSAKIMA SAとの間で、レアアースの供給契約を締結した。この契約は、DRCでのレアアースおよび他の重要な鉱物の供給チェーンを強化し、供給量の増加を可能にするもの。
シンバのCEOであるスティーブ・サディキは、SAKIMAとの供給契約が同社のDRCでのレアアース供給チェーンの拡大における重要なマイルストーンであると述べ、地元コミュニティにも利益をもたらす責任ある資源採掘にコミットしていることを強調。また、契約によってアクセスできる鉱区には非常に高い鉱物品位があり、売上高に対する高い利益率が期待されるとしている。
DRCは、豊富なレアアース資源を有する地域の一つであり、その地質構造がこれらの鉱物の存在に適しているとされる。特にカーボナタイトやペグマタイトといった岩石中に多くのレアアースが含まれている。カナダ・レア・アース社は、2024年中に月間供給量を100トンから500トンに増加させる計画を発表しており、持続可能な採掘と現地コミュニティへの利益還元を重視している。
さらに、DRCは現在、中国に次ぐレアアース生産のポテンシャルを持っているとされ、将来的には世界的な供給源としての重要性が増すと見込まれている。これにより、アフリカ諸国は新たな収入源を確保し、貧困削減や経済発展に貢献できると期待されている。
このように、カナダ・レア・アース社とSAKIMA SAとの提携は、レアアース供給の安定化と共に、DRCの経済発展にも寄与する重要なステップとなる。
■ご参考
Could Africa replace China as the world’s source of rare earth elements? | Brookings
Canada Rare Earth Announces Rare Earth Supply Agreement (newsfilecorp.com)
Canada Rare Earth sets up supply operations in the DRC – MINING.COM