中国商務部は27日に開催された「中欧半導体産業上下流企業座談会」において、レアアース輸出規制に関する政策説明を行い、中国と欧州の半導体関連企業間で規制内容や手続きに対する理解を深める場を設けた。背景には、レアアース資源が半導体製造において不可欠な役割を果たしており、国際的なサプライチェーンの安定維持に向けた姿勢を示す狙いがあるとみられる。

座談会には、商務部の関連部局のほか、中国半導体産業協会、中国欧州商会、そして中欧の半導体関連企業40社以上が参加。中欧間の経済・貿易協力の深化をめぐって意見が交わされた。
複数の関係者によると、商務部産業安全与進出口管理局は会合で、レアアース輸出規制の具体的な内容や、輸出許可の申請手続きについて説明を実施。企業とその関連サプライヤーが制度を円滑に活用できるよう支援を行った。
また、別の関係者は「今回の動きは、中国が欧州の半導体産業チェーンに対して、レアアース輸出規制を柔軟に運用する可能性を示唆するものだ」と述べ、グローバルな供給網の安定維持に向けた意思の表れとする見方を示した。
中国は近年、国家安全保障の観点からレアアースをはじめとする重要鉱物の輸出管理を強化してきた。一方で、特定の分野や地域との戦略的協力を通じて、柔軟性と安定性の両立を図ろうとする姿勢も垣間見える。特に欧州との連携は、米中間で激化する技術摩擦のなかで、中国が多極的な経済連携を模索する一環と位置付けられる。
今後、レアアース輸出規制の実務運用や欧州企業への対応にどのような柔軟性が示されるか、中欧間の実務レベルでの連携深化が注目される。