中国によるレアアース(希土類)輸出の新たな規制が、インド・テランガナ州Kongara Kalan(コンガラ・カラン)にあるApple製AirPodsの製造拠点に影響を及ぼしていることが、インド経済紙「エコノミック・タイムズ」の報道で明らかになった。
同紙によると、フォックスコンが運営する同工場では、レアアース金属の供給遅延によりAirPodsの生産が一時的に減速した。AirPodsには、レアアース磁石が使用されており、中国の輸出規制がその供給に直結している。フォックスコンはテランガナ州政府に対し、供給問題を報告し、必要な「最終用途証明書(EUC)」の取得に向けた支援を要請していた。
その後、インド州政府は産業振興局や国内貿易部門を通じて調整を行い、EUCは中国大使館やインド外務省を経てフォックスコンに発行された。しかし、この証明書を提出したにもかかわらず、中国政府による輸出の承認は進んでいないという。 フォックスコンはApple製品の最大手サプライヤーであり、インド国内にも複数の工場を有している。中国政府は4月より、複数の重希土類元素の輸出に対し許可制を導入し、世界の製造業に波紋が広がっている。