豪ライナス、日本向け希土類供給契約を2038年まで更新

オーストラリアのライナスは3月10日、日本向け希土類供給契約を更新し、日豪レアアース(JARE)との契約を2038年まで延長すると発表した。今回の契約更新では、ネオジム・プラセオジム(NdPr)の最低価格設定や重希土類の供給枠などが新たに盛り込まれ、日本向けの供給体制が強化される。JAREは、JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)と双日が設立した会社で、ライナスと協力し、日本向け希土類の安定供給を支えてきた。

軽希土類NdPr、110ドル/kgの最低価格を設定

契約では、NdPr価格には110ドル/kgの最低価格が設定され、市場価格が低迷した場合でも一定水準の価格が維持される仕組みとなる。また、日本向けに年間最大7,200トンのNdPr供給枠が維持され、このうちJAREは、年間5,000トンのNdPrを購入することを約束する。

重希土類供給も日本向けに優先枠

今回の契約では、日本にとって重要性が高い重希土類酸化物(HRE)の供給枠も明確化された。ライナスが生産する重希土類酸化物のうち、75%を日本向け供給対象とし、そのうち50%相当をJAREが購入する仕組みとなる。

ライナスは2025年に重希土類酸化物の分離生産を開始しており、今回の契約は、同社が軽希土類だけでなく重希土類の供給者としても日本産業に重要な役割を担うことを示している。

ライナスとJAREの協力関係は、日本が中国以外の希土類供給源を確保する戦略の中核の一つとされる。今回の契約更新により、日本はジスプロシウムやテルビウムなどの重希土類を含むレアアースの安定調達を中長期的に確保する形となる。また、最低価格の設定は、市場価格が低迷した場合でも一定の収益を確保できる仕組みであり、ライナスの設備投資や生産拡大を支える役割を持つ。

世界の希土類供給は依然として中国の比重が大きく、日本は長年にわたり供給源の多様化を進めてきた。特に重希土類については供給が限られており、日本産業にとって安定調達の確保は重要な課題となっている。ライナスが重希土類の分離生産を開始したことにより、日本は軽希土類だけでなく重希土類についても一定の供給確保が可能となる。

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