ニッケルは、耐久性と柔軟性を兼ね備えた金属として、現代社会の様々な場面でその価値を発揮している。この金属は工業製品から家庭用品に至るまで広範に利用されている。この記事では、ニッケルの特性や主要生産国及び用途を紹介する。
一、ニッケルの特徴
ニッケルは耐食性に特に優れ、酸や塩基、さらには極端な気象条件にも耐える。たとえば、海水にさらされる船舶の部品など、過酷な環境で使用される製品の理想的な素材と言える。ニッケルはまた、合金を形成する際の重要な素材で、特にステンレス鋼の製造には不可欠である。
ニッケルは優れた熱伝導性と電気伝導性を持ち、リチウム電池やその他の電子部品の製造にも寄与している。
特筆すべきは、ニッケルの磁性で、これが電子デバイスや医療技術の分野で重要な役割を果たしている。
二、ニッケルの主要生産国
ニッケル鉱石は、主に赤土ニッケル鉱と硫化ニッケル鉱の2種類があり、赤土ニッケル鉱が世界の約70%を占め、残りの約30%が硫化ニッケル鉱である。
硫化ニッケル鉱はカナダ、ロシア、中国、オーストラリアなどで採掘されている。一方、赤土ニッケル鉱はフィリピン、インドネシア、ニューカレドニアなど、熱帯地域や赤道に近い国々での生産が主である。
1.ニッケルの埋蔵量
米国地質調査所の2022年の統計データによると、オーストラリアとインドネシアが約2,100万トンの埋蔵量を持ち、世界で最もニッケル資源が豊富な国である。次いで、ブラジルが1,600万トンで第3位、ロシアが750万トンで第4位となっている。

データ出典:米国地質調査所調査結果に基づき(株)レアリサが作成
2.主要生産国の生産量
2022年における生産量で見ると、インドネシアが約160万トンで世界一位、約世界の半分の生産量を占めている。フィリピンが33万トンで第2位、ロシアが22万トンで第3位となっている。一方、オーストラリアは埋蔵量で世界をリードしているものの、生産量では約16万トンで第5位にとどまっている。

データ出典:米国地質調査所調査結果に基づき(株)レアリサが作成
各国の埋蔵量及び生産量の詳細データは下図の通りである。

データ出典:米国地質調査所調査結果に基づき(株)レアリサが作成
三、 ニッケルの用途
ニッケルの主な用途はステンレス鋼や特殊合金の製造で、これらの合金は建築材料や自動車、飛行機の部品製造に重宝されている。
また、ニッケルはバッテリーテクノロジーにおいても中心的な役割を担っており、特にリチウムイオン電池の主要コンポーネントとして、電気自動車やスマートフォンの普及に大きく寄与している。
その他、ニッケルの耐久性を活かし、多くの国で硬貨の材料として採用されている。加えて、ニッケルベースの触媒は化学工業や石油精製プロセスに不可欠で、これらの分野での効率的な生産を支えている。
電子産業においても、ニッケルは基板材料や接続部品として欠かせない存在で、コンピューターや通信デバイスの性能向上に貢献している。