米国の国防総省は、1月17日に国防生産法(DPA)の第3章に基づき、レアリソースリサイクル社(REEcycle)に510万ドルの契約を授与したと発表した。
このプロジェクトの目的は、既存の実証施設を再稼働し、年間50トンの希土類酸化物を生産する商業施設を早期に試運転することだ。REEcycleは、ネオジム磁石に欠かせない4つの元素を回収することを目指している。ネオジム磁石は、防衛用途で主要な航空プラットフォーム、ミサイル、潜水艦、無人車両の電動モーターなどに広く使用されている。この取り組みは、サプライチェーンの回復力を高め、重要鉱物の国内生産を支援するという2024年国防産業戦略の目標を推進するもの。
国防総省の産業基盤政策を担当するローラ・テイラー・カーレ博士は、「鉱山から磁石までのサプライチェーンには、多様な希土類元素の供給源が必要だ」と述べ、「REEcycleの技術は、埋立処分されるはずだった材料を有効活用し、米国の外国資源依存を軽減する助けとなる」とコメントしている。
REEcycleの独自プロセスは、ネオジム、プラセオジム、ジスプロシウム、テルビウムといった希土類元素を98%以上回収する。この技術は、防衛システムで使用されるネオジム磁石に不可欠な特性を与えるものだ。同社は実証施設の再稼働後、商業施設を稼働させ、金属加工や磁石製造を行う企業への主要供給業者としての地位を確立する予定。
MCEIP(製造能力拡大と投資優先プログラム)のディレクターであるアンソニー・ディスタジオ氏は、「REEcycleが電子廃棄物から重要な素材を回収できるようにすることで、この契約は防衛製品生産に必要な希土類供給の拡大を支援する。これらの契約は、防衛産業基盤のリスクを低減し、外国供給への過度な依存を減らすための重要な手段だ」と述べている。
今回の契約は、2025会計年度開始以来、DPA調達室が実施した合計2億9,590万ドルの6件の契約のうちの一つ。DPA調達室は、産業基盤レジリエンス担当国防副次官補室のMCEIPによって監督されている。
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