ベトナム、技術産業向けのレアアース処理で課題に直面

ベトナムのメディアVIETNAMNET GLOBALは、現在ベトナムが抱えている希土類資源の開発と利用に関する課題を紹介した。

ベトナムは豊富なレアアース資源を持つが、半導体や電気自動車産業を支えるための採掘および処理能力が限られている

現在、ベトナムにはレアアース鉱石を輸出基準に合った製品に加工できる工場がない。総レアアース酸化物含有量が95%以上でなければならない。この情報は、ベトナム科学技術アカデミーの定例記者会見で材料科学研究所のホアン・アイン・ソン准教授(博士)が明らかにした。

ホアン准教授によれば、個々のレアアース酸化物を分離し、高純度に精製する技術はベトナムで長らく研究されてきたが、実際には研究室レベルにとどまり、実用化されていない

最近、日本、米国、韓国などの企業が、ベトナムとのレアアース鉱物の採掘および処理の分野で協力することに関心を示している。しかし、これらの国々の一部の生産者だけが高度なレアアース処理技術を持ち、知的財産を保持し、技術を秘密にして移転していない。

「電気自動車、風力発電、防衛産業製品を製造するためのレアアース金属を製造し、材料を作る技術は非常に高度な技術を必要とし、我が国ではほとんど始まっていない」とソン氏は述べた。

ベトナムのレアアース鉱山の採掘および処理は依然として非常に限られている。主な理由は、企業が製品を必要な基準(レアアース酸化物含有量≥95%)に加工する技術を習得しておらず、個々のレアアース製品を分離する技術を持っていないためである。

ベトナム科学技術アカデミーは、先進的なレアアース処理技術を開発し、高純度のレアアース酸化物を分離し、電気自動車および風力発電産業向けのレアアース磁石を製造する研究プログラムを開発し、10年以内に実用化することを目指している。

科学者たちはまた、ベトナムのレアアース産業を発展させるための具体的なメカニズムと政策を制定し、研究、技術開発、生産実施を密接に連携させることを提案している。

ベトナムはまた、米国など、先進的なレアアース産業を持つ国々からの技術移転条項を含む、深層レアアース抽出および処理に投資する企業を引き付けるための政策とメカニズムを作成する必要がある。

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