カザフスタンとウズベキスタンは、希土類およびレアメタル分野での協力強化に向けた動きを加速させている。両国は合同作業部会を設置し、地質探査から採掘、加工に至るサプライチェーン全体での連携を進める方針を示した。
この動きの背景には、中央アジアにおける重要鉱物資源の高い潜在力と、それを活用した供給網構築を目指す戦略的意図がある。
カザフスタンは中央アジアで最も高い希土類資源ポテンシャルを有する国とされ、これまでに100以上の鉱床が確認されている。政府推計では、希土類酸化物ベースで約260万トンの埋蔵量が見込まれており、潜在資源はさらに大きい可能性がある。特にカラガンダ地域で発見された大型鉱床は、約2000万トンの鉱石資源を有し、軽希土類を中心にイットリウムなども含まれている。今後の精査次第では、世界有数の埋蔵国に浮上する可能性がある。
一方で、現時点での生産規模は限定的であり、年間数十トン規模の試験生産にとどまる。産業としては依然として探査段階にあり、政府は2024〜2028年の開発計画に基づき、探査面積の拡大や外資導入を進めている。
ウズベキスタンは30種類以上の鉱物資源を有し、タングステンやモリブデン、銅、ウランなどの分野で存在感を持つ。希土類については単独大型鉱床の確認は限定的だが、他の鉱物に含まれる形での回収ポテンシャルが指摘されている。
2025年には総額26億ドル規模の国家計画を開始し、採掘から加工、最終製品までの一貫体制構築を目指している。国有企業を中心に開発が進められており、外資参入を促進する制度整備も進行中だ。
両国の共通点は、資源ポテンシャルの高さに対して産業としての成熟度が低い点にある。現状では生産量はごく限定的であり、加工能力や技術、資金の不足が大きな制約となっている。
そのため、欧米や中国などとの協力を進めつつ、「資源+技術・投資」の形で開発を加速させる戦略を採用している。
合同作業部会の設置により、共同探査や技術共有、投資誘致が具体化すれば、中央アジアにおける新たな重要鉱物供給圏の形成につながる可能性がある。
