ロシアメディアによると、ロシア政府は今月、クセニア・ショイグ氏を「メンデレーエフ・バレー」基金の責任者に任命した。政府は最大35%の補助金を通じて、国内でのレアアース採掘・製錬・磁石製造の一貫体制を構築し、2030年までに年産3,000トンの生産能力確立を目標としている。
ロシアは豊富なレアアース資源を有し、世界有数の資源国とされる。しかし、分離・精錬・磁石製造といった中核工程の技術力では大きな遅れを取っており、国内での加工能力の確立が最大の課題となっている。
ショイグ氏が率いる「メンデレーエフ・バレー」は、今回の資源戦略の中核拠点と位置付けられる。同センターはシベリア連邦大学およびメンデレーエフ化学工業大学の研究基盤を活用し、企業・研究機関・大学を横断的に結集する産学官連携プラットフォームとして設計された。最大の使命は、レアアースの分離・高純度化技術の壁を突破し、採掘から高付加価値製品までを国内で完結させる「フルバリューチェーン」の確立にある。
昨年末、ロシア政府はプーチン大統領の指示に基づき、「希少金属・レアアース金属産業発展行動計画」を承認した。工業・商務省が産業育成を主導し、天然資源省が原材料基盤を担保する体制を整えている。
また、ロシアはレアアースに加え、リチウムやタングステンなどの希少金属の増産も掲げる。2030年までに年産5万トン規模への拡大を目標とし、連邦予算から約600億ルーブルを投じて20件の重点プロジェクトを支援する計画だ。研究開発補助、低利息融資、関税優遇などを通じて、国内加工能力の整備を図る。
「メンデレーエフ・バレー」を軸とする研究開発体制が分離・精製技術の突破口となれば、ロシアは単なる資源供給国から加工・材料供給国への転換を図る可能性がある。
