韓国KIMS、重希土類不使用で高保磁力を実現―新たな二段階粒界拡散プロセスを開発

韓国材料科学院(KIMS)のナノ材料研究部門は、重希土類(HRE)を使用せずにネオジム焼結磁石(Nd-Fe-B)の高保磁力を実現する新たな二段階粒界拡散プロセスを開発したと発表した。

ネオジム磁石は、電気自動車(EV)、風力発電、エレベーター、FA、電子機器、ロボットなど、多様な高付加価値製品において重要な部品である。しかし、従来の製造プロセスでは、中国が独占的に生産する重希土類に依存しており、資源リスクの高さや生産コストの増加が課題となっている。

今回の研究では、重希土類を使用せず、「タンタル」と「プラセオジム」を組み合わせることで磁石の性能を大幅に向上させることに成功した。プロセスは以下の二段階で構成される。

  • 第一段階:タンタル含有材料を高温で磁石に拡散浸透させた後、室温で冷却する。
  • 第二段階:プラセオジムを含む軽希土類材料を高温で再浸透させる。

このプロセスにより、粒界拡散過程で発生する異常な粒子成長を抑制し、磁石内部への拡散を均一化。結果として、保磁力が大幅に向上した。軽希土類のみを使用しながらも、重希土類を含む市販の磁石と同等の45SH~40UHの性能グレードを達成した。

この研究は、重希土類を使用せずに高保磁力を実現する新たな手法として注目されており、電気自動車やハイブリッド車などのモーター用磁石の性能向上に貢献が期待される。

前の記事

【毎週更新】31種類のレアアースの価格(2025年3月12日)

弊社HPでは毎週、31種類のレアアース酸化物、金属の価格及び価格動向を掲載している。 希土類金属およびその酸化物31種類のうち、13種類の価格が上昇。セリウムは先々週から先週にかけて大幅に値上がりしたのに続き、炭酸セリウ […]

次の記事

世界のレアアース依存、中国の支配は続く

ドイツメディアは、世界が依然として中国のレアアースに大きく依存している現状を報じた。電気自動車(EV)、人工知能(AI)、軍事兵器などのハイテク分野には希土類(レアアース)が不可欠だが、市場を支配する中国の影響力は今後も […]