BMWの北米部門は、アメリカのバッテリーリサイクル企業Redwood Materialsと提携し、BMWグループの電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド(PHEV)、マイルドハイブリッド車に搭載されているリチウムイオン電池のリサイクルを進めると発表した。
この提携により、BMWやMINI、Rolls-Royce、BMW Motorradの車両から回収された電池は、Redwoodが精製し、ニッケル、コバルト、リチウム、銅などの貴重な鉱物を再利用することになる。
Redwoodのリサイクル技術は、従来の採掘に比べて環境への影響を大幅に低減できる。具体的には、エネルギー消費量を80%削減し、CO2排出量を70%削減、水使用量も80%減少させることが可能だ。さらに、電池内部の材料は、理論的には無限にリサイクル可能で、使用中に消失することはない。この技術により、リサイクルされた材料の95~98%が再びバッテリーサプライチェーンに戻され、バージンマテリアルと同等の純度が確保される。
Redwoodは現在、ネバダ州リノ郊外でバッテリーリサイクル施設を運営しており、サウスカロライナ州チャールストンにも新たなリサイクル工場を建設中だ。この新工場は、BMWのスパルタンバーグ工場やウッドラフ工場に近接しており、これらの工場に電池セルを供給する計画が進んでいる。BMWは2030年までにアメリカで少なくとも6種類のEVを生産する予定で、2026年には10億ドルを投じてスパルタンバーグ工場を改修し、電動SUVの生産を開始する見込みだ。
また、RedwoodはこれまでにもVolkswagenやトヨタ、GMとLGエナジーソリューションの合弁会社Ultium Cellsとも提携し、EVバッテリーのリサイクルや工場スクラップのリサイクルを手掛けている。これらのリサイクル技術の普及により、電動モビリティにおけるバッテリーの環境負荷を軽減し、持続可能な未来に向けた重要な一歩を踏み出している。