Lynas、生産量増も純利益が85%減 供給過剰とコスト増が影響

ライナス(Lynas Rare Earths)は、中国以外で最大のレアアース生産企業。2月26日、ライナスが2025年度上半期の決算を発表した。市場の供給過剰による価格低迷と運営コストの上昇が響き、純利益は予想を上回る減少となった。

2024年12月末までの6カ月間の税引後純利益は590万豪ドルで、前年同期の3950万豪ドルから約85%減少。一方、売上高は2億5430万豪ドルとなり、前年同期の2億3480万豪ドルから増加した。これはネオジム・プラセオジム(NdPr)の生産量が22%増の2969トンに達し、NdPr関連製品の販売量も23%増加したことが寄与した。

純売上高は2億5430万豪ドルで前年同期比8%増だったが、中国のNdPr価格の低迷が売上成長を抑制した。過去2年間、レアアース市場は低迷し、供給過剰により価格は下落傾向が続いた。しかし、Lynasは中国政府が業界再編を示唆する改革案を発表したことで、市場環境の改善につながる可能性があるとみている。

売上原価は29%増の2億530万豪ドル。NdPrの販売量増加に加え、低価値在庫や仕掛品に対する500万豪ドルの評価引当金を計上したことが影響した。さらに、Mt Weld、Kalgoorlie、マレーシアの新施設の稼働により、コストが増加した。

金融会社ジェフリーズのアナリストは顧客向けレポートで「市場環境は依然として不透明であり、Lynasの成功は成長戦略と慎重な財務管理のバランスを維持できるかにかかっている」と指摘した。

◆ご参考:ライナスの決算報告資料

Financial Reports – Lynas Rare Earths

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