ABB、Noveon Magneticsと米国製高性能磁石の長期供給契約を締結

米テキサス州サンマルコスに拠点を置くNoveon Magneticsは、ABBと高性能希土類磁石(NdFeB磁石)に関する長期供給契約を締結したと発表した。この契約により、NoveonはABBの北米地域におけるモーター製造拠点向けにNdFeB磁石を供給する。出荷は2025年8月から開始され、2026年末までに全量を供給する体制へと拡大される予定である。

今回の提携は、冷却塔、水ポンプ、ビルディングシステムといった重要インフラで使用される産業用モーターの需要が高まっている現状を背景としている。北米では建物のエネルギー効率化やデータセンター需要の拡大が進んでおり、ABBにとって信頼性の高い米国内磁石供給体制の確保は喫緊の課題となっていた。

Noveonは現在、米国内で唯一、焼結ネオジム磁石を商業生産している企業であり、原料調達から製造・出荷に至るまでを一貫して国内で完結する垂直統合型の生産体制を構築している。同社は今年2月に日本のニデック(Nidec)と5年間の供給契約を締結したほか、8月には自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とも複数年にわたるレアアース磁石の供給契約を締結している。

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