豪州の鉱業会社Hastings Technology Metalsは、サウジアラビア投資省と初期合意を結び、同国で希土類金属の精製工場建設を検討している。この工場は、Hastingsが進めるYangibana鉱山の操業準備の一環と位置付けられている。
Hastingsは、2027年第2四半期から豪州・ニューサウスウェールズ州のYangibana鉱山で、希土類鉱石精鉱を年間最大3万7千トン生産する計画を発表した。このプロジェクトには、推定で合計2,090万トンの希土類鉱床が含まれており、Yangibana鉱山は豪州国内で3番目の規模の希土類鉱山となる見通しだ。
豪州証券取引所に上場している同社は、川下産業への進出を目指し、西豪州、エストニア、またはサウジアラビアに精鉱加工施設を建設する計画を検討中だが、現時点ではこれらの地域での工場建設を正式に決定していない。
Hastingsとサウジアラビア政府は、2024年に合意し、サウジ側が規制関連の支援を行い、同国からの資本調達や合弁パートナー獲得を支援することが約束された。
また、Hastingsは2027年以降、香港上場の磁石製造企業・金力永磁(JL MAG)およびカナダ上場の希土類加工会社・Neo Performance Materialsに希土類金属を供給する計画を立てている。今年初め、金力永磁はHastingsの株式9.8%を取得し、ニューサウスウェールズ州での事業を支援する意向を示した。