希土類およびその他の重要な金属のリサイクル会社であるカナダのCyclic Materialsは、使用済みハードドライブから希土類金属を回収する技術の研究を続けるために、マイクロソフトのClimate Innovation Fundから株式投資を受けた。
CyclicはCC360と呼ばれる技術に約2年間取り組んでいる。CC360は、IT資産処分会社が主に磁石部分を分離し、希土類金属を回収する一方で、残りのハードドライブを従来のITADプロセスに送ることを支援する。Cyclicはその後、磁石を処理する。
この技術は、マイクロソフトのような大規模なデータセンター運営者が循環性と持続可能性の目標に向けて取り組む際に「非常に価値がある」と、Cyclicの共同創設者兼CEOのアハマド・ガーレマン氏がニュースリリースで述べた。
このプロセスは現在のITAD会社がハードドライブを処理する方法とは異なる。通常、ドライブはデータ破壊プロセスを経て、金や銀などの金属を回収するために破砕されるが、希土類金属は通常回収されないとCyclicは述べている。
Cyclicは、Sims Lifecycle Services(SLS)などのITAD会社とのテストを通じて新技術を検証していると言う。
SLSの最高商務責任者であるショーン・マガン氏は、CC360のテストにより「素晴らしい性能向上」が見られ、破砕機を詰まらせる磁石の数が減少し、1秒あたり1台のドライブの処理が可能になったと述べた。この技術は「廃棄されるハードドライブから重要な希土類金属を回収しながら、データの安全性を維持することを可能にする」と述べた。
「希土類元素の需要がますます重要になる中で、この投資によりこれらの材料の持続可能な供給を創出することを支援できることを楽しみにしている」と気候イノベーションファンドのシニアディレクターであるブランダン・ミドー氏が発表で述べた。
近年、米国企業は重要な材料を回収するエレクトロニクスリサイクルの取り組みにおいて、民間および連邦の投資が増加している。鉱物の国内供給網を強化することは、他国がエレクトロニクスで一般的に使用される特定の鉱物市場を占めているため、連邦の経済および製造の優先事項となっている。
マイクロソフトの資金は、Cyclicの商業施設の建設スケジュールを加速させるのに役立ち、これは「エネルギー移行を支える北米の希土類供給を成長させるための重要なステップ」であるとガーレマン氏は述べた。
▼Cyclic Materials社のプレスリリース内容