産経新聞の報道により、日本の最東端にある南鳥島沖の海底で確認されているレアアースの試掘が令和6年度中に開始される予定だ。必要な経費は5年度補正予算案に計上されている。
出典:海上保安庁南鳥島は上図右下
南鳥島沖でのレアアース資源は2010年代初めに日本の研究チームが発見。この地域の海底泥にはレアアース元素が豊富に含まれ、世界的な注目を集めている。特に、中国が支配するレアアース市場に挑戦する可能性がある。しかし、水深5,500mの海域に位置しているため、探査や採掘は困難だ。発見以来、採掘の可能性や経済的実現性の調査が日本で進められている。
特に、近年の米中対立や中国のレアアース輸出規制強化などの資源ナショナリズムのため、南鳥島沖のレアアース資源開発の重要性が増している。
科学技術庁の海洋研究開発機構は9月6日のプレリリースで、海底広域研究船「かいめい」の調査により、水深5,600mの海底下の詳細な構造データが取得できたことを発表。これにより、南鳥島周辺のレアアース泥の分布や資源量の詳細な調査が大きく進展する見込みだ。
資源量の正確な調査はこれからだが、東京大学の研究によれば、南鳥島沖のレアアースは世界需要の数百年分にも上る可能性がある。
レアアースはハイテク産業に不可欠で、現在、日本は中国からの輸入に依存している。この試掘が成功すれば、国内でのレアアース確保の新たな道が開かれるかもしれない。
■参考
<独自>南鳥島レアアース来年度試掘 脱中国依存へ – 産経ニュース (sankei.com)
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