韓国の大邱慶北科学技術院(DGIST)が、新世代のネオジム磁石(NdFeB)を開発したと報じられている。新型磁石は、高温環境下でも磁力性能を維持しながら、重希土類元素であるジスプロシウム(Dy)およびテルビウム(Tb)の使用量を約80%削減したという。
重希土類は、電気自動車駆動モーターや風力発電機、産業用ロボットなどに用いられる高性能磁石の耐熱性向上に不可欠とされてきた。一方で、供給源が限られ、中国依存度が極めて高いことから、調達リスクや価格変動の大きさが課題となっている。
DGISTの研究チームは、高温特性を維持したまま重希土類依存度を大幅に引き下げる磁石設計技術を確立したとしており、将来的にはサプライチェーン安定化にも寄与する可能性があると期待される。 業界関係者によれば、今回の成果はまだ実験室レベルの段階にとどまっており、産業規模での量産化に向けては、依然として技術面やコスト面での課題が残るという。
