<FREE>マレーシア、ライナス社のレアアース工場ライセンスを延長

マレーシア政府は、オーストラリアのレアアース企業であるライナス社(Lynas Rare Earths)のマレーシアの工場運営ライセンスを2026年3月まで3年間延長したと発表した。さらに、全てのレアアース原料の輸出を禁止し、加工後の製品のみの輸出を許可する方針を確定した。

米国地質調査所の2019年のデータによれば、マレーシアのレアアース埋蔵量は約3万トンと、世界の埋蔵量全体の中では少ない。このため、マレーシアのレアアース原料の輸出禁止は、世界市場への影響は限定的であると予想される。

世界最大のレアアース埋蔵国は中国で、その埋蔵量は4400万トンに上る。中国を除くと、ライナス社は世界最大のレアアース生産企業である。

科学技術担当大臣Chang Lih Kang氏は10月24日の記者会見で、パハン州ゲンティンのライナスレアアース工場は運営ライセンスを更新されたものの、ライナス社は引き続き放射性廃棄物の処理および洗浄プロセスをマレーシア国外に移す必要があると述べた。

同大臣によると、政府はライナス社に対し、2026年3月のライセンス期限まで、放射性物質を含む原料のマレーシアへの輸入と、国内での分解および洗浄作業(C&L)の継続を許可した。

マレーシア政府は今年5月、ライナス社のレアアース工場が放射性廃棄物の分解および洗浄作業を撤回する最終期限を2024年1月まで延長した。しかし、ライナス社は10月20日に、11月中旬からマレーシアでの全業務を停止し、混合レアアース炭酸塩製造施設のみを運営すると発表した。

また、科学技術担当大臣は、全レアアース原料の輸出を停止し、加工済みのレアアースのみ輸出を許可する政府の方針を確認したが、この方針の実施時期については明らかにしなかった。

ライナスのマレーシア工場 (出典:ライナス)

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