世界最大手希土類企業の北方希土が2024年第3四半期(7~9月期)の決算を発表した。7~9月期の収益は85.70億元(約1,320億円)で前年同期比1.54%増、純利益は3.6億元(約56億円)で10.94%増加と好調だったが、特別プロジェクトを除いた純利益は21.75%の減少となった。1~9月累計では売上高が215.6億元で前年同期比13.5%減少、純利益も70%近く減少しており、厳しい市場環境が続く。
希土類価格の低迷と回復の兆し
2024年の希土類市場は、電気自動車(EV)や風力発電など一部の新エネルギー分野での需要が伸びる一方、全体の需要が予想を下回り、希土類価格は下落傾向にあった。しかし、第三四半期に入り一部製品に価格回復の兆しが見られる。ランタン系製品は供給過剰で価格が低迷したものの、セリウム系製品は磁性材料の需要増加により安定を保っている。また、プラセオジム・ネオジム系製品も第3四半期に需要が回復し、希土類市場全体の価格が安定しつつある。
成長への取り組みと今後の展望
北方希土は、このような市場環境に対処するため、生産と品質の向上に注力しつつ、コスト削減と効率改善を進めている。生産量は希土類分離製品で前年同期比20.45%、希土類金属製品で27.90%増加するなど、拡大傾向にある。