韓国ポスコ、希土類磁石生産で中国産希土類を不使用、脱中国依存

韓国のポスコが海外から大量の希土類永久磁石の受注を発表したことを、韓国のSBSテレビが3月12日に報じた。

1968年設立の韓国鉄鋼メーカーであるポスコは、世界トップクラスの規模を誇り、鋼板、長材、ステンレス鋼など多岐にわたる製品ラインナップを有し、自動車、造船、建設業界へ供給している。さらに、素材事業にとどまらず、エネルギー、建設、トレーディング分野へも進出し、環境配慮型製品開発や次世代エネルギー分野への投資を強化している。特にリチウムイオン電池素材の開発に注目が集まっている。

ポスコの発表によると、ポスコアメリカ法人は、北米の自動車メーカーから9000億ウォンの永久磁石を受注し、新開発された中大型電動車の駆動モーター用として、2026年から2031年にかけて供給する。

また、ポスコのドイツ法人も、欧州の高級車メーカーと2600億ウォンの契約を締結し、2025年から2034年まで供給する予定である。

ポスコは今回受注した磁石の生産にあたり、中国産希土類を使用せず、アメリカ、オーストラリア、ベトナムなどの原材料を使用すると発表。この方針は、中国が希土類市場で大きなシェアを持つ中、供給源の多様化を図るための重要な一歩である

現在、中国は世界の希土類生産の約70%、加工・精錬の約90%を占めており、韓国を含む多くの国がその供給に依存している。米中関係が悪化する中、西側諸国が中国以外のサプライチェーン強化に努める中、ポスコの発表は希土類の中国依存脱却を目指す韓国の努力を示している。

■ご参考:ポスコジャパンのHP

POSCO JAPAN

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