レアアース価格は過去3年で最低水準にまで下落しているが、今年1月から7月までの中国の輸出は前年同期比で7.5%増加した。市場の需要低迷に対する供給過剰が、主要な原因と分析されている。
酸化Dyと酸化Tbの価格は今年に入って約30%下落し、酸化Ndと酸化Prもそれぞれ約15%の下落を記録した。市場が低迷する中、中国が輸出を続けていることが、現在のレアアース価格下落の主な要因とされている。
中国は数十年にわたる国家投資、技術蓄積、輸出規制、安価な労働力、低い環境基準を背景に、レアアース生産の主導権を握り、現在世界の採掘生産の70%、精錬加工の90%を占めている。同国の生産と輸出状況は、レアアース市場に大きな影響を及ぼしている。
電気自動車や再生可能エネルギーなどの分野での中長期的な成長により、レアアースの需要と価格は最終的に回復すると予測されている。しかし、すぐに回復するわけではない。過剰供給問題を短期的に解決する手段はなく、電気自動車、薄膜太陽電池、風力タービンなどの主要なエネルギー移行分野での中長期的な需要の増加により、緩やかな回復が見込まれる。