米国とウクライナの重要鉱物開発交渉が難航する中、ロシアが米国に希土類やアルミニウムの供給を提案した。
2月24日、プーチン大統領は、米国市場向けにロシア産希土類金属の共同探査や供給ができると発表。ロシアが世界第5位の希土類埋蔵量を有することを強調し、米国の需要に応じる可能性を示唆した。ただし、米露間の経済協力にはウクライナ危機の解決が前提となるとの見方があり、提案の実現性は不透明。さらに、ロシアとの協力は米国の対ロ制裁政策との整合性や政治的リスクを伴う。
一方、2025年2月28日には、ホワイトハウスでトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が会談し、ウクライナの希土類を含む鉱物資源の共同開発協定に署名する予定だった。この協定は、米国がウクライナの鉱物資源にアクセスし、その収益の一部を再投資することでウクライナの再建を支援することを目的としていた。しかし、会談中に両者の間で意見の対立が生じ、協定の署名は延期された。
トランプ大統領は、米国の多大な支援に対する感謝の表明を求めるとともに、ロシアとの和平交渉での妥協をゼレンスキー大統領に促したが、ゼレンスキー大統領はこれを拒否。ゼレンスキー大統領は引き続き鉱物資源協定に前向きな姿勢を示し、協定の締結がウクライナの安全保障にとって重要であると強調した。しかし、ウクライナの鉱物資源の正確な埋蔵量や採算性には不確定要素が多く、協定の具体的な内容や実現可能性については今後の交渉が必要となる。