希土類資源を巡るグリーンランド争奪戦

トランプ新政権は1月20日に始動し、グリーンランドの領有に改めて意欲を示した。安全保障が理由とされ、希土類や天然資源の確保をめぐる争奪戦が続いている。

グリーンランドは世界最大の島で、未開発の石油や天然ガス資源に加え、希土類、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、石墨(グラファイト)といった豊富な鉱物資源を持つ。グリーンランド最大の希土類鉱山開発企業Tanbreez鉱業のCEOによると、昨年、アメリカとデンマークの政府関係者が同社プロジェクトを中国企業に売却しないように働きかけた。また、グリーンランドの重要な鉱物資源を開発するためにアメリカから資金提供を受けることを目指し、定期的にアメリカ側と会談を重ねていることも明らかにした。

Tanbreez鉱床は約30%が重希土類であり、防衛用途でも広く使用されている。また、この鉱床には中国が昨年輸出制限を課したガリウムも含まれており、アメリカ国内での加工施設建設を視野に入れた交渉が続いている。

Tanbreez鉱業のCEOによれば、昨年アメリカ政府関係者が2度プロジェクトを訪問し、資金難に陥っていた同社に対し、中国企業への売却を避けるよう強く促したという。その結果、Tanbreezはニューヨークの企業に売却されることになった。2026年には年間50万トンの希土類を含む鉱石を生産する計画が進められている。

グリーンランドの希土類資源を巡る国際的な争奪戦は、アメリカと中国の競争を背景に激化している。アメリカ政府は、希土類を戦略的資源と位置づけ、経済的・安全保障的観点からその確保を目指している。豊富な鉱物資源を持つグリーンランドの開発は、地政学的にも経済的にも注目されるだろう。

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