ベトナムメディアの報道によれば、ベトナムは来年、国内最大のレアアース(希土類)鉱山を再開する予定であり、目的は中国のレアアース産業における主導的な地位を弱めることと、レアアース産業からの利益を高めるためだと思われている。
Dong Pao鉱山は世界最大の銅鉱の一つで、ベトナム最大のレアアース鉱山でもある。外国投資家の関心を引きつけており、オーストラリアのBlackstone Mining Ltdはこのプロジェクトに1億ドルを投資すると計画している。
ベトナムのライ州に位置するDong Pao鉱山は、2014年に採掘許可を取得したにもかかわらず、まだ開発、採掘を行っていない。
ベトナム政府は今年年末までにこの鉱山の複数の区画で入札を行うための準備をしており、来年に開催されると予想されている。ベトナムはレアアースサプライチェーンを構築することを望んでおり、Dong Pao鉱山の再開により、世界のレアアース市場で存在を認知させ、利益を獲得しようとしている。
Dong Pao鉱山の採掘権を有するベトナム煤炭・鉱業グループ(Vinacomin)の幹部が、Dong Pao鉱山でのレアアース採掘が実現できれば、ベトナムが世界トップレベルのレアアース生産国になるだろうと期待している。
しかし、レアアースの精製過程は複雑なものだ。投資を検討中のBlackstone Mining社は、Dong Paoの推定鉱床量も最新の方法で再評価する必要があると述べている。
USGS(アメリカ地質調査所)の調査によると、ベトナムの推定埋蔵量は2200万トンで、世界のレアアース総埋蔵量の18%を占めているが、そのほとんどはまだ開発されていない。
ベトナムのレアアース埋蔵量は主に国の北西部に分布している。現在、ベトナムのレアアース採掘は主に国の北西部と中央高原地区に集中している。
2022年、ベトナムのレアアース採掘量は4300トンに達し、前年比で9.8倍増となり、世界で第六位となっている。
今年7月、ベトナム政府は、2030年までに年間最大6万トンのレアアースを生産する目標を掲げ、より多くの鉱山の開発を計画している。
米国もベトナムのレアアース産業を支持する興味を表明している。米国バイデン大統領がベトナムを訪れた際、米国はベトナムのレアアース資源マップの作成とレアアース開発生産への大規模な投資の引き込みを支援することに合意した。
脱中国依存の動きに加え、電気自動車、風力発電、ロボット、消費者向け電子機器等多くの産業で使用されている安定した需要増加もあり、ベトナムのレアアース鉱業は近い将来、急速に成長するだろう。