米Energy Fuels社は10月26日、豪Astron社と共同開発する「ドナルド・レアアース・重鉱物砂プロジェクト」について、豪州政府系金融機関2社から最大1億8,000万豪ドル(約199億円)の融資に関する条件付き承認を取得したと発表した。商業金融機関からの融資を含め、総額2億豪ドル(約221億円)の資金調達を計画しており、2026年末までの最終投資判断を目指す。
希土類精鉱の年間生産量は約9,000トンを計画
ドナルド・プロジェクトは、豪州ビクトリア州メルボルンから北西約300キロメートルに位置する希土類・重鉱物砂鉱床の開発計画で、鉱山寿命は約40年を見込む。
最新の開発計画によると、第1期操業開始から最初の5年間の平均生産量は、希土類精鉱が年間約9,000トン、ジルコンやチタン鉱物などを含む重鉱物精鉱が年間約22万5,000トンとなる見通しだ。希土類精鉱には、ネオジム・プラセオジム(NdPr)に加え、高性能永久磁石に不可欠なジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)などの中重希土類が含まれる。
Energy Fuels社は生産される希土類精鉱の全量を引き取り、米ユタ州のホワイト・メサ工場で分離・精製する計画だ。第1期開発で生産する希土類精鉱から、年間約1,000トンのNdPr酸化物に加え、ジスプロシウムやテルビウムの酸化物を製造することを見込む。
米豪連携によるレアアース供給網の構築を推進
Energy Fuels社は、2026年8月に買収を完了した豪Australian Strategic Materials(ASM)社の韓国金属工場などを活用し、希土類酸化物から金属・合金への加工体制を拡充している。さらに、買収を計画している独VAC社の永久磁石製造拠点と組み合わせ、採掘から分離・精製、金属・合金加工、磁石製造までの一貫したサプライチェーンの構築を目指す。
ドナルド・プロジェクトは、中国への依存度が高いジスプロシウムやテルビウムを含む希土類原料の長期的な供給源として位置づけられる。今回の条件付き融資承認により事業化に向けた資金調達は前進したものの、建設着手には融資契約の最終締結と最終投資判断が必要となる。
