インドとブラジルは、レアアースおよび重要鉱物分野での協力を強化する覚書(MoU)を締結した。2月21日に行われた両国首脳会談を受けて成立したもので、探査・採掘・加工・精製・リサイクルまでを含むバリューチェーン全体での連携を目指す内容となっている。
今回の合意は、インドが進める資源サプライチェーン多様化政策の一環であり、レアアース分野で大きな影響力を持つ中国への依存低減を意識した動きとして、市場関係者の注目を集めている。
インドでは、電気自動車や再生可能エネルギー、電子機器、航空宇宙分野の拡大に伴い、レアアースおよび重要鉱物の需要が増加している。一方で、レアアースの多くを輸入に依存しており、安定供給の確保が国家的課題となっている。モディ首相は今回の合意を「強靭なサプライチェーン構築に向けた重要な一歩」と位置付け、供給リスクの分散の重要性を強調した。
一方、ブラジルは豊富な鉱物資源を有する資源国として知られ、レアアースを含む重要鉱物の埋蔵量も大きい。今回の協力では、レアアース・重要鉱物の探査拡大をはじめ、採掘・選鉱・加工技術に関する協力、精製など下流工程の強化、投資および産業インフラ整備、AIなど先端技術の活用が含まれている。単なる資源の輸出入にとどまらず、付加価値の高い下流工程までを視野に入れている点が今回の協力の特徴といえる。
レアアースをめぐる国際競争が激化する中、インドとブラジルの連携は、資源外交と産業政策が一体となった動きとして、今後の展開が注目される。
