インド経済紙ミント(Mint)によると、プネーに本社を置くアシュウィニ・マグネット社(Ashvini Magnetics)は、同国初となる国産レアアース金属精製工場の操業開始を発表した。新工場の月間生産能力は15トンで、軽希土類および重希土類金属の両方を製造できる。
この工場は、インド原子力局バーバ原子力研究センター(BARC)の技術支援を受け、インド鉱業省から1,700万ルピーの助成金を得て建設されたもので、完成までに約5年を要した。
生産される主力製品はネオジム・プラセオジム金属(NdPr)で、これはインド国内需要の20〜25%をまかなう見通し。NdPr合金は、ネオジム磁石(NdFeB磁石)の主要素材であり、電気自動車(EV)用モーターやMRI装置など、先端産業の幅広い分野で不可欠な材料とされている。
今回の稼働により、インドはレアアース金属の国内自給体制強化に向けて重要な一歩を踏み出したことになる。インド政府は今後、同工場をモデルケースとして、精製・加工技術の国産化と供給網の多様化をさらに推進する方針だ。
