ベトナムがレアアース管理を強化へ

ベトナム政府は、レアアース資源の国家統制を強化する方針を打ち出した。10月14日に開かれた国会常務委員会の会合で審議された「地質鉱産法」改正案によると、レアアースに関する権限は地方自治体から中央政府へ移譲され、国家の防衛・安全・持続可能な発展を確保することが目的とされている。

新たな法改正案では、レアアースを「特別戦略資源」に位置づけ、中央政府がその探査・採掘・加工を独占的に管理する体制を整えることが明記された。提案では、政府が指定・承認した組織や企業のみがレアアース事業に携わることを認め、未加工鉱石の輸出を全面禁止とする方針を示した。また、政府自ら地質調査や探査に資金を投入し、資源の効率的かつ環境負荷の少ない利用を促す。

農業・環境省の陳徳昇代行大臣は、「レアアースは半導体、再生エネルギー、国防技術、EV電池などの中核産業で戦略的な役割を果たしている」と述べ、今後10年間で世界的な需要が急増すると予測した。国会の代表事務委員会を率いるグエン・タイン・ハイ議長は、ベトナムのレアアース埋蔵量が世界供給網において重要な競争優位を持つと強調し、資源の流出や違法採掘を防ぐための厳格な措置を求めた。さらに、陳洪河副首相は、探査・採掘・加工・技術移転のすべての段階を監督するため、専門知識と技術を備えた中央機関の設立を検討していると述べた。

この「地質鉱産法」改正案は、今後開かれる第10回国会会議で正式な承認を受ける見通し。

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