複数の報道によると、オーストラリア投資家である鉄鉱石大手のジーナ・ラインハートが、米国カリフォルニア州のマウンテンパス鉱山の所有者であるMPマテリアルズの株式5.3%を取得し、米国の希土類産業における重要な一歩を踏み出した。

ラインハートの投資はMPの株価にプラス影響を与え、過去5日間で株価は20%上昇した。ラインハートはMPへの投資から既に利益を得ているが、彼女の主な目的は短期的な利益ではないと見られる。同氏はオーストラリアの億万長者の鉱山王で他の希土類企業にも投資しており、オーストラリアの新興希土類生産者アラフラ・リソーシズの株式10%、ブラジルの希土類企業の株式5.8%を保有している。ラインハートはレアアース産業の計画を明言していないが、豊富な資金力により、西側諸国の希土類産業発展に影響を与える可能性がある。

希土類業界における中国の支配的地位と供給制限の潜在的な脅威に対する懸念は、西側諸国の希土類業界の発展と変革を促している。MPはアメリカ政府と密接な関係を持ち、ネオジムやプラセオジムなどの重要な金属の代替資源開発においてリードしている。

MPとオーストラリア最大の希土類生産者であるライナスとの合併についての憶測が流れ、今年初めには交渉が行われたが、合意には至らなかった。ラインハートのMPへの投資は、両社の合併を推進し、主要な非中国希土類リソースを創出する可能性があると改めて注目を集めている。

ライナスとMPの潜在的な合併は、中国外の最大の希土類供給者を作り出すだけでなく、さらなる成長と統合に繋がる可能性がある。これには、豪州アラフラ・リソーシズのノーランプロジェクトやブラジル・バイア州の希土類プロジェクトが含まれ、ラインハートもこれらのプロジェクトに投資している。アメリカとオーストラリア政府が重要な金属生産で協力し、多様で安全な希土類供給を追求する中で、両国間の連携が強化されていることを示している。

ラインハートのMPへの投資は、オーストラリア証券取引所でライナスに対する関心を引き起こし、同社の株価も過去3日間で7.5%上昇した。ラインハートの戦略的な動きは、世界の希土類市場に影響を与える可能性がある。